チーズ工房 「乳ぃーずの物語。」 チーズ工房「乳ぃーずの物語。」
庄原産生乳100%
庄原野菜に寄り添う「日本の乳(ち)ぃーず」
「庄原愛」を感じられるチーズを作り続けている敷信村(しのうむら)農吉のチーズ工房「乳(ち)ぃーずの物語。」。今でこそ、国産チーズは全国的なブームになっていますが、「乳ぃーずの物語。」が誕生したのは2013年。今から10年以上も前に、なぜ庄原で「チーズ」を作ろうと思ったのでしょう?
実は「乳ぃーずの物語。」は「野菜を美味しくたべるためのチーズを作りたい」という思いから始まっていたのです。
ショップも併設された小さなチーズ工房「乳ぃーずの物語。」は庄原の南部、県道61号線沿いにあります。
この地域は日本の酪農の礎を築いた場所。明治時代に全国に先駆けて国営の「七塚原種牛牧場(通称「七塚原牧場」)」が設立された地域です(現在、同所にある「広島県立総合技術研究所 畜産技術センター」の前身)。七塚原牧場では早くからバターやチーズが試験的に製造されていました。
時は流れ時代は平成。庄原市の人口減少が課題になりはじめます。七塚原からほど近い敷信(しのう)地区でも、出生人口の減少で利用者が減少していた保育所を統廃合したうえで民間に運営委託することになりました。地域住民は新しくできる保育所を自分たちで運営しようと会社を設立。それが敷信村農吉のはじまりでした。
この保育所では当初から「農」「食」をとても大切に考えていて、普段から子どもたちが「農」に触れる機会がたくさんあるそうです。園庭にある畑で野菜を育てたり近くの田んぼで米を育てたり。収穫した野菜や米は給食やおやつで食べます。
自分たちが育てて足りない野菜や米は近所の農家さんから分けてもらっていました。その中で野菜の販路が少なくても困っている…という農家さんの声を聞きます。そこで農吉では保育所運営とは別に、農家さんを応援するために農産事業部を立ち上げ、野菜の販路拡大に乗り出しました。
さらに、自然農法やこだわりの栽培法で育てられているこれらの野菜をもっとおいしく食べてもらう方法がないだろうか…と考えたときに、ひらめいたのが地元の牛乳を使って「チーズ」を作ったらどうだろうというアイディアでした。それが「乳ぃーずの物語。」のチーズ作りの始まりでした。
酪農に限らず農業が盛んだった庄原地域の人たちにとって、牛は農耕の役牛としても大切でとても身近な存在でした。まさに自然と牛と人が共存してきたのです。地域の「乳」で地域に根差した「日本のチーズ」を作りたいという思いから、あえて「チーズ」ではなく「乳(ち)ぃーず」としているそうです。使っている生乳は、もちろん100%庄原産。チーズ工房近くの契約酪農家さんの搾りたての生乳を使っています。
国内外のチーズコンテストで連続受賞するなど、世界レベルのチーズを作り続けているチーズ工房「乳ぃーずの物語。」。庄原野菜と庄原生まれの「日本の乳ぃーず」との「マリアージュ」を楽しんでみてください。